ばもすかとうの蹴球茶飲み話

北海道コンサドーレ札幌のことを中心に、よもやまのことを緩くしたためていきます。

【Jリーグ2019シーズン第17節】ベガルタ仙台vs北海道コンサドーレ札幌〜前門のイシハラ、後門のマテ〜

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 久々のディレイ観戦。本当は仙台に行ってしまった兵藤さんを見に行きたかった。しかし日程には抗えない。日程は正義、日程こそが法。シーズン後半も、きっと日程神はまたお戯れになることだろう。

強そうなスタメンと役割理論


 川崎戦で負傷していた福森が復帰。代わりに、肉離れとの報道(タイメディア)もあったチャナティップが欠場となる。前線にはジェイ、アンロペ&武蔵と破壊力のありそうな3人が並ぶ。
 チャナの役割は攻守に多様。ボール保持時においては間受けをこなし後方とのリンクマンを務めながら、複数名の相手を引きつけ前進を期待できる。味方にスペースと時間を与えられる選手。同位置で起用される武蔵には縦への速さや高さが期待できる。アンロペやジェイがチャナの役割を方法は違えどこなしていくことが求められる。


 将来的に日本代表のゴールマウスを守ることになるだろうダン(といえば諸星)ことシュミット・ダニエル。試合後に正式発表となったが、シントトロイデンへの移籍がほぼ決まっており、この試合に懸ける気持ちは強い。
 そして、パワフルかつクレバーに振る舞える怪獣シマオマテは守備のキーマン。前線に並ぶ石原、長沢は攻守で多様な引き出しを持つ。

前門の石原軍団、後門のマテ&ダン

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札幌ボール保持時
 札幌のボール保持時、オーソドックスな形。札幌はミシャ式。
 仙台はボールサイドに人を寄せながら、局面で数的不利を作らないような配置。2トップはソンユンに楽をさせないことを除けば、基本はパスコースを限定し待ち構えながらプレスバック→トランジション対応の準備。シャドー2枚はボランチが捉える(チャナの場合はやり方変えたのだろうか)。ジェイにはCB2枚がチャレンジ&カバーの構図だが、福森や深井を起点に左から前進するケースが多いため、ポスト時はシマオマテが対応。
 仙台の守備において特に有効だったのが2つ。石原を中心としたプレスバック及び収縮。そしてシマオマテによる中央の封鎖。
 後述もするけれど、こうした中央封鎖については仙台のネガトラ対策が功を奏した後の形。
 札幌としてはチャナ不在もあり、サイドからの崩し→トリプルタワーによる強襲は意図から大きく外れるやり方というわけではなかったろうが、仙台の守備陣からすると集中しやすい攻撃に偏ってしまったことは否めない。
 それでもフィニッシュの形は作れた。しかし最後は個のクオリティに頼るところ。シュミット・ダニエルが立ちはだかる。ソンユンを前にしたワンソウルや前年王者、菅さんを相手にした名波氏やヴィヴィくんの気持ちが少しばかり理解できた。
 いつぞやの東口への借りは返すチャンスもありそうだが、ベルギーに飛ぶダンにはいつ返そうか。

どこかで見た景色

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札幌ボール非保持時
 札幌のボール非保持時、見られた形。
 ポイントとしては武蔵とアンロペの位置取り。仙台はSHが内に絞り、SBが高い位置を取る。後方の数的秩序を守るために、武蔵&アンロペは仙台のSBに対応可能な位置まで落ちてくる。ロングカウンターにおいて札幌の基軸となる2人の初期位置を落とすことで、仙台はネガトラにおける不安事項に対処しながらボール保持を進める。
 中央は同数。荒野&深井は後方の2TOPへのパスコースを警戒しつつ人にも対応。内側に位置取るSHを含め塞ぐべきパスコースは随時増える。仙台は縦パスからのレイオフをスイッチにバイタルエリアを攻略。個々の打開力では札幌よりも期待は小さかったが、複数名の関わりによりチャンスを構築した。

追いかけるよりも追われたい

 札幌は多くの時間を追いかける展開。仙台はホームであり、必勝の構え。リード時には札幌のほころびに対して敏感に攻め込みながら、対してリスクあるチャレンジは必要としない。
 その点で札幌は、ボール保持における焦りや無謀な強引さをそこまで感じさせない。内心はわからないが、チームとして仙台の守備に対して自信を持って向かい合っていた。
 先制時の勝率は申し分ない(追加点はもっと欲しいときあるけど)。相手を前がかりにさせることで、前線にスペースを得るチャンスが増える。アンロペや武蔵が野に放たれる場面が想像できる。
 シーズン序盤から、試合の入り方にはそこまで失敗しないミシャ札幌だったが、徐々にアップグレードを必要とするところかと思う。追いかける展開は見ている分には楽しいが(追い抜くの前提で)、極力無しの方向で後半戦は試合運びをしていきたい。

最後方でのボールロスト

 決勝点に繋がったのは、ソンユンを中心にした後方からのビルドアップにおけるボールロスト。ただ、あそこで大きくボールを蹴る判断を絶対とすることをミシャは是としないだろう。むしろ、この仙台から2点以上取れることに対して引き続き投資をしていってほしい。
 結果として1-2の敗戦。シーズン序盤の停滞はあったものの、仙台はやはりしぶといチームだった。

最後に

 水曜日には天皇杯も敗退。天皇杯に関しては、来年の第100回記念大会でプレミアムなタイトルを。石水社長には申し訳ないが、これで勘弁してもらおう。この悔しさは眼鏡にぶつけたい。
 というわけで次節はホームで松本山雅。girls dayということで黄色い声援が飛び交うことだろう。女性向け企画という点では、松本山雅は今シーズン、名古屋グランパスが開催したガールズフェスタでは無慈悲な勝利を収めている。恐るべし。
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 夏の移籍期間、札幌の選手動向はどうなるのか。先日の天皇杯2回戦やルヴァンカップのグループリーグでも感じたところだが、高卒選手には実戦経験をもっと積ませたい。レベルの高い環境で練習に取り組むことは出来るかもしれないが、連戦時には練習も部分的なものになる。大卒選手のクオリティの高さを見ると、本当に濱や藤村、檀崎、中村あたりは数年で伸びるのか、少しばかり心配。レンタル等でトップの試合に出られる環境を与えられるなら、その方が…とは今シーズン前兄弟あたりを見ていて思う次第である。